1972 そしてムーヴメントの幕は上がった。
1972年(昭和47年)は、札幌冬季オリンピックや「今太閤」田中角栄の首相就任と日中国交回復、元日本兵、横井庄一氏の救出、浅間山荘事件など大きな出来事がつづいた年。海外に目をやると、ベトナム戦争はまだ泥沼の状態にあり、米国ではウォーターゲート事件が政界を揺るがした。
話題を集めた映画は『ゴッド・ファーザー』、『ポセイドン・アドベンチャー』など。
全米1位を記録した曲には、ギルバート・オサリヴァンの「アローン・アゲイン」、ニール・ヤングの「孤独の旅路」などがある。アメリカからはイーグルスがデビューをはたし、イギリスではデヴィッド・ボウイが『ジギー・スターダスト』でグラム・ロックのムーヴメントを巻き起こすなど、ロック界でも大きな変化をみせた年だった。
- 1月
MUNGO JERRY
軽快なジャグ・バンド・サウンドを聞かせるマンゴ・ジェリーは、ヒット曲「イン・ザ・サマー・タイム」を中心としたステージ展開で会場を沸かせた。- 2月
CREEDENCE CLEARWATER REVIVAL
当時、アメリカン・ロック・シーンのまさに頂点に立っていたCCRがついに来日。ジョン・フォガティ(Vo,G)を中心にしたトリオ編成でシンプルだが深い味わいのあるロックン・ロールを聞かせてくれた。なお、彼らはこの年の10月に解散を表明している。- 4月
CHASE
世界的な大ヒット「黒い炎」によって、一躍、ブラス・ロックのトップ・バンドに躍り出たチェイスが初来日。ホーンを主体としたファンキーでソウルフルなサウンドは、当時の音楽ムーヴメントの一翼を担うものだった。- 5月
TEN YEARS AFTER VS. PROCOL HARUM JOINT CONCERT
TEN YEARS AFTER - 独特の早弾きプレイを駆使し、ギタリストとして揺るぎない地位を確立したアルヴィン・リー(Vo,G)が率いるテン・イヤーズ・アフター。67年デビュー以来、着実な成長を見せながらも、そのエキサイティングなサウンドは健在だった。
PROCOL HARUM - 名曲「青い影」によってあまりに有名なプロコル・ハルムはこの年、テン・イヤーズ・アフターの競演ハンドとして来日。陰影のある、いかにもイギリス的なサウンドを展開しながら、ステージでは意外なほど骨太な一面も見せ、観客を魅了した。- 6月
CHICAGO
ロック史に名を残す4枚組の大作ライヴ『アット・カーネギー・ホール』を発表したばかりのシカゴはリズム・セクションとブラス・セクションが全力でぶつかり合うパワフルなサウンドで聴衆を圧倒した。- 7月
EMERSON LAKE & PALMER
FREE(NEW SESSION)
EL & P - 『展覧会の絵』で世界中の絶賛を浴びたEL & Pの記念すべき初来日東京公演は、後楽園球場を満杯にして行われた。アルバムと同じ完成度のサウンドがライヴで完壁に再現され、とくに「くるみわり人形」では観客すべてを総立ちにさせた。
FREE - EL & Pの特別ゲストとして来日。当初はオリジナル・メンバーで再編して公演をする予定だったが、結局それは不可能になり、ポール・ロジャース(Vo,G)、山内テツ(B)、サイモン・カーク(Ds)、ラビット(Key)の新編成フリーとして来日。
JETHRO TULL
イアン・アンダーソンの吹くフルートをフィーチャーした、ロック・バンドとしては珍しいユニークなサウンドのジェスロ・タル。バンド名は、19世紀のイギリスの農学者の名前をそのまま使ったものだった。- 9月
CAT STEVENS
『父と子』などのヒットで、イギリスのフォーク・シーンを代表するシンガー・ソングライター、キャット・スティーヴンス。彼のサウンドは多くの日本人フォーク・シンガーに影響を与えた。- 10月
LED ZEPPELlN
レッド・ツェッペリン2度目の来日公演は、ジャケットに4つのシンボル・マークしか書かれていなかった通算4作目を中心としたものだった。『天国への階段』『ブラック・ドッグ』などが次々と演奏されたこのコンサートはロック・ファンのあいだで長く語り継がれていくことになる。- 12月
THREE DOG NIGHT
第1部:ENGLAND DAN & JOHN FORD COLEY
THREE DOG NIGHT - 個性的な3人のヴォーカリストを擁するスリー・ドッグ・ナイト。『アン・オールド・ファッションド・ラヴ・ソング』『ワン』などミリオン・ヒットを飛ばし大人気を博す。この来日時のヒット曲は『喜びの世界』。ユニークな宣伝用の定期券にも注目。
ENGLAND DAN & JOHN FORD COLEY - 『シーモンの涙』をヒットさせたアコースティック・デュオ、イングランド・ダン&ジョン・フォードは、スリー・ドッグ・ナイトとの共演という形で来日を果たした。











